月命日が近づくと、「今月は何をしよう」と考えることがあります。
けれど、仕事や家のことに追われて日が過ぎてから気づいたり、覚えていても気持ちが向かなかったりする月もあるものです。毎月のことだからこそ、きちんと続けなければと思うほど、重く感じる日もあるかもしれません。
月命日の過ごし方に、ひとつの形を当てはめる必要はありません。その月の暮らしと気持ちに合う、小さな時間を考えてみませんか。
何かを足す前に、立ち止まる
月命日だからと、特別なものを用意しなくてもかまいません。
写真を一度見る。名前を心の中で呼ぶ。窓を開けて、季節の空気を感じる。ほんの一分でも、大切な家族へ気持ちが向く時間になります。
思い出があふれる日は、ゆっくり過ごす。忙しい日は、「今日は月命日だね」と言葉にするだけにする。何もしたくない日は、あえて普段どおりに過ごす。それぞれが選べます。
できたことの大きさで、想う気持ちを測らなくてもよいのだと思います。
自宅で選べる、いくつかの過ごし方
飲みものを一緒に用意する
いつものお茶やコーヒーを、自分の分ともう一つ用意してみる方法です。故人が好んでいたものに限らず、自分が落ち着いて飲めるものでもよいでしょう。
長く置くことが気になるときは、手を合わせたあとに下げるなど、ご家庭で無理のない扱いを決めておくと続けやすくなります。
写真や思い出の品を一つ見る
アルバムをすべて開かなくても、一枚の写真や一通の手紙だけで十分です。「この日は暑かったね」「この服をよく着ていたね」と、そこに写る小さな記憶をたどります。
つらさが強くなる日は、途中で閉じてもかまいません。思い出す時間の長さも、その都度選べます。
好きだった音や香りに触れる
よく聴いていた曲を一曲流す、いつも使っていた湯のみを出す、好きだった花の香りを思い浮かべる。五感につながるものは、日常の中に取り入れやすい方法です。
火や香りを使うことにためらいがあるなら、使わない形で整えてもよいでしょう。
家族へ短い連絡をする
離れて暮らす家族に、「今日は月命日だね」と一言送るだけでも、同じ人を想うきっかけになります。返事を求める連絡ではなく、思い出したことをそっと分け合うくらいの距離も選べます。
家族ごとに受け止め方は違うため、毎回の参加や返信を決まりにしないことも大切です。
ひとことだけ書き残す
手帳やカレンダーに、「今日は雨」「あの料理を思い出した」と短く書く方法もあります。誰かに見せる記録ではなく、その月に浮かんだことを置いておくための一行です。書く言葉がない月は、日付に小さな印をつけるだけでもよいでしょう。
毎月同じでなくてもいい
月命日の形は、暮らしの変化に合わせて変わっていきます。最初は毎月花を用意していても、ある時から写真に声をかけるだけになるかもしれません。反対に、しばらく何もしなかったあとで、また静かな時間を持ちたくなることもあります。
続かなかったことを責めるより、「今月は何ならできそうか」と考えるほうが、日々にはなじみやすいものです。
忘れた月にも、戻れる場所を
日付を忘れてしまったら、気づいた日に思い出せばよいのではないでしょうか。カレンダーに印をつける方法も、あえて記録せず自然に思い出す形もあります。
月命日は、毎月同じことを守るためだけの日ではなく、大切な家族とのつながりをそれぞれのペースで確かめる節目にもできます。
何かをする月も、何もしない月もある。その揺らぎごと、今の暮らしに置いておける形を選んでいけたら十分です。


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