写真のそばに花があると、空間がやわらかく感じられることがあります。
その一方で、毎日水を替えられない、花を買いに行く余裕がない、枯れていく姿を見るのがつらい。花を供えたい気持ちはあっても、続けることが負担になる時期もあります。
花がない日を、申し訳なく思わなくてもよいのではないでしょうか。大切な家族を想う場所は、花の有無だけで決まるものではありません。今の暮らしに合う形を、いくつか並べて考えてみます。
花を見ること自体が、見送った日の記憶につながってつらい場合もあります。そのときは、代わりの飾りを探さず、何も置かないところから始めてもよいでしょう。花を好きだった気持ちと、今はそばに置けない気持ちは、どちらもそのままにできます。
毎日でなく、日を選ぶ
月命日、誕生日、季節の変わり目など、自分が花を置きたい日にだけ用意する方法があります。
「毎日」を基準にすると空白の日が気になりますが、「この日に一輪」と決めれば、できる範囲が見えやすくなります。日を決めず、買い物の途中で心が向いたときだけ選ぶ形でもかまいません。
花を供えない日は、写真のほこりをそっと払う、短く声をかける。それだけにすることもできます。
一輪や、小さな葉を選ぶ
大きな花束を整えなくても、一輪だけ、小さな枝や葉だけという置き方があります。花器も大きなものではなく、安定して置ける小さな器なら、場所を取りにくくなります。
水を入れるときは、写真や思い出の品に触れにくい位置を選び、倒したときのことも考えて少し離します。花を増やすことより、無理なく手入れできる量にしておくほうが、暮らしにはなじみます。
生花以外の形にする
乾かした花や長く飾れる花
思い出の花を乾かして残したり、手入れの少ない花を選んだりする方法があります。ほこりが気になったら休ませるなど、自分の扱いやすさを基準にします。
花の写真や絵
故人が好きだった花の写真、子どもが描いた花の絵、季節のポストカードを飾ることもできます。水替えがいらず、気分に合わせて入れ替えられます。
花の色を布や小物で添える
小さな布、器、折り紙などで季節の色を置く方法もあります。花そのものを再現しなくても、「今月はこの色が似合いそう」と選ぶ時間を持てます。
何も置かない日をつくる
忙しいときや、気持ちが向かないときは、写真だけに戻してもかまいません。
空いた花器を見ると気になるなら、花器もしまっておきます。何かを欠かした場所ではなく、静かな余白のある場所として整える考え方もあります。
「次はいつ花を供えるか」を決めず、また置きたくなったときに戻す。休む期間があっても、大切にしてきた時間まで消えるわけではありません。
家族で続けるなら、役割を決めすぎない
家族の誰か一人が花を買い、水を替え、片づける役目を背負うと、気持ちより作業が先に立つことがあります。
「買える人が一輪選ぶ」「水が気になった人が替える」「難しい週は写真だけ」と、ゆるやかに共有する方法があります。花を置きたい人と、置かなくてもよいと考える人がいるなら、毎日同じ形に合わせなくてもよいでしょう。
花の代わりにできること
窓を開けて空気を入れ替える。写真立てを拭く。好きだった音楽を一曲聴く。温かい飲みものを用意して、少し座る。花を供えることとは別の、小さな時間を選べます。
何を選ぶ日も、選ばない日もあります。花を絶やさないことより、暮らしの中でその人を想う余白を、自分に無理のない形で残すこと。
毎日続けられなくても、また一輪を置きたいと思った日に、そこから始めればよいのだと思います。


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